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「………。」
「………。」
「………。」
「………。」
何この沈黙は。
一応、告白したんだよね…?
「先輩…。」
「はい!?」
声が裏返ってしまった。
「それは…本当ですか?
気になっていたから避けていたって、本当ですか?」
「う、うん…。」
「よ、良かった…。」
吉野はその場でしゃがみ込んだ。
「吉野!どこか体調悪いの!?」
私は吉野の所に駆け寄った。
「いえ…大丈夫です。
何か安心して、力が抜けて…。」
「ごめん。私が悪くて…。」
私は吉野に手を差し出す。
吉野は私の手を取って、立ち上がる。
立ち上がった途端、吉野は私に抱き着いた。
「ちょっ…!?」
「さっき…気になるから、避けていたと言ってましたよね?」
抱き着きながら吉野は聞く。
「え、うん。」
「って事は、まだ完全に好きじゃないんですよね?」
「え。そうなの?」
「ええ、そうですよ。」
吉野は顔を上げる。
にこやかな笑顔だ。
さっきまで顔はどこへやら……。
そうか…。
告白したつもりだったけど違ったらしい。
「そういう事なら、きちんと好きになって貰えば良いんですよね。」
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