時間のいたずら

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冷たい部屋。 ストーブがついていない部屋は冷蔵庫の様に寒い。 その寒さに目が覚める。 「今何時だ。」 枕元にある目覚まし時計を見る。 「………。」 これは夢か? 俺は寝ぼけているのかも知れない。 よし、試しに頬をつねって見よう! 「痛っい!!」 夢じゃ無い! 「やばいっ!!!」 何故俺がこんなに焦っているのかと言うと…。 今日が人生初の受験だからだ。 しかも受験受付時間は、 8時45分。 ただ今の時刻。 8時40分。 やばい所では無い。 俺は急いで制服を着る。 急いでるせいか、なかなか上手く着れない。 俺は苛立つ。 制服を着終えて一階へと下りる。 冷蔵庫を開け、昨日の残りの唐揚げを一つ食べる。 家には誰もいない。 当たり前だがテレビの音すら聞こえない。 俺の両親は息子が受験だと言うのにも関わらず、 海外旅行に出ている。 その事を思い出し、再び苛立つ。 苛立ちながら、俺は家を出た。
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