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「今日、こっちに泊まるから。」
衝撃の言葉に体が起き上がる。
「はい?」
「灯油切れちゃって、寒いのよ。
こっち切れて無いでしょ?」
「まあ……。」
今日は何と言う日なのだろうか…。
天からの罰なのか。
褒美なのか…。
嬉しく無い訳じゃ無いけど…。
緊張する。
久しぶりなのだ。
雪乃が泊まるなど。
まあ、隣に部屋があるから来ない事の方が多いが…。
数年に一度はある。
俺の気持ちを知ってか、知らずか。
いや、知らないだろうな。
知らなくて良い。知られたくない。
しかめっつらをしながら、考え込んでる間にカレーは出来た。
ごく一般的な中辛が。
雪乃が出来上がったばかりのカレーを運ぶ。
全て運び終わり、俺の前に座った。
「頂きます。」
「いただきます。」
パクりと一口食べる。
味はいつも通り。
メイカーも同じだ。
だけどいつも食べてるカレーより、美味しく感じた。
これは疲れてるせいかのか。
それとも、雪乃が目の前にいるからなのだろうか。
分からないけど、カレーは上手かった。
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