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「ぐすっ…あら、何の用事かしら。
まさか、夜遊び?」
「そんな悪い子になった覚えは無い。
雪乃…泣いてるだろ。」
そう言いながら、部屋の電気をつける。
雪乃が泣いてるのがはっきりと見える。
「ちょっと…ね。ぐすっ」
眼鏡から落ちる涙や、鼻をすする姿が見れる。
その姿を見た途端、俺の中の何かが切れた。
――無意識のうちに雪乃を抱きしめていた。
「何よ。」
「俺じゃだめなのか。」
「無理に決まってるは…。」
雪乃の長い髪がくすぐったい。
「俺なら出来るかも知れない……。」
「あんた何かに出来てたら、頼るわよ。」
本当に頼ってくれるのか?
その言葉に偽りは無いか?
俺はお前に頼られる男になりたいと思ってる。
昔からずっと思ってた。
「俺なら、あいつの代わり出来る。」
「もう……遅いわよ。」
「やってみなきゃわかんないだろう!!」
俺はむきになり、大声を出してしまった。
「耳元で大声出さないで。」
「すみません。」
「本当に……」
「ん?」
「本当に出来るの?」
「ああ…まだ冬休みだ。
時間はある。」
「結構な量よ……
大学のレポート。」
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