風邪の日だからこそ!

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颯太は私を抱き上げたまま、私の部屋に入る。 そして静かにベットの上に降ろす。 「あ、ありがとう…。」 心臓の音がうるさい。 何でこんなにドキドキするの? 「どう致しまして。 まだ熱下がって無いんだろう?」 「うん…。」 「じゃあ、寝てな。 飯は俺が作ってやるから。」 「うん…ありがとう。」 颯太は部屋を出て行った。 颯太に言われた通り、ベットの中に入った。 まだ心臓はドキドキしている。 何で…こんなに顔が赤いの。 熱のせい? 何か、熱のせいだけじゃ無い気がするんだけど…。 それに颯太ってあんなに手、大きなかったっけ? 小さい頃からずっと一緒にいたのに。 熱のせいで頭はまわらず、ただ何が何だか分からないまま私は眠りについた。 「……か。」 「うん……?」 「いち…か。」 何かに呼ばれてるような…… 何か安心する温かみがあるな…… 「一花!」 「はいっ!!」 突然の大声に眠気もすっきり。 声の主は颯太だった。 「一花。飯だ。」 「ふぇ?あ…ありがとう。」 起き上がり、机を見ると美味しそうなお粥があった。 「これ、颯太が作ったの?」 「ああ…。」 颯太の顔は、少しだけ赤くなっていた。 「毒…入ってないよね?」 「地味に傷付くぞ?」 「ごめん。冗談だよ。」
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