風邪の日だからこそ!

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は? この人は一体何言ってるの? 「お前、この人は一体何言ってるのって思ってるだろう?」 ドキっ。 体が一瞬だけ跳ねた。 何でわかっちゃうかな? 付き合いが長いから? 「曖昧な意識のまま、熱々のお粥を食べたら火傷するだろう。」 「で、でも…これ以上私の近くに居たら…風邪移っちゃうよ?」 「移せば良いだろう。 移してお前が治るなら。」 うわ……。 今のは本気でずるいと思う。 と言うか… 格好良い……!! 私の顔は、真っ赤なっていた。 「ほら、熱上がって来た。」 これは違う! 違うのに熱と勘違いされてしまった。 いや、勘違いされて良かったのかも? 「わかったら言う事を聞くんだな。」 抵抗する力なんて無い。 「はい……。」 頷いてしまった。 颯太はお粥を救い上げ、ふうふうしている。 やばい…! 本気で恥ずかしい!! 今からダッシュで逃げ出したい!! 「あーん。」 颯太が私の口元にお粥を運ぶ。 しぶしぶ口を開け、お粥を食べた。 「ほいしい……。」 お粥が熱くて上手く言えなかった。 でも、本当に美味しい。 「そりゃ、良かった。」 笑顔で颯太は言った。
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