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しばらく沈黙が続いた。
怒ってらっしゃいますよね。
俺は沈黙に耐え切れず、顔を上げて見た。
すると、彼女は何の事なのかさっぱり分からない。と言う表情をしていた。
「いや、俺のせいで遅刻させちゃったでしょ?」
俺は自分のしてしまった事を説明する。
「え、でも、まだ時間ありますよ?」
うん?
どういう事?
今度は俺が、さっぱり分からないと言う表情をした。
彼女は自分の携帯の画面を、俺に見せる。
8:00と表示されてる。
自分の携帯を開く。
同じく8:00と表示されている。
本当にどういう事だ?
「確かに俺の目覚まし時計は8時45と表示されていた。」
俺の独り言に彼女は気づき質問して来た。
「あの、それって、電池式の目覚まし時計ですか?」
「あ、うん。」
「……。あの、それ電池切れで止まっていたのでは無いですか?」
「………。」
単純な答えに驚いた。
そして叫んでしまった。
「嘘ーーー!!」
「本当です。」
冷静にツッコミを入れてくれた。
ああ…。
でも、良かった。
遅刻してないや。
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