時間のいたずら

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「ふふ…。」 彼女は何故か笑っていた。 ………? 今日は分からない事が多いな。 「あ、すみません。笑っちゃって。 私途中から気付いていたんです。」 「え!?」 驚きの事実だ。 「だけど、貴方の行動が面白くて……。 ふふ…。 すみません。失礼なのは分かってるんですけど、 ツボにはまって……。」 彼女は説明しながらも笑っていた。 いや、まあ、怒られるよりはましか。 と言うかそんなに俺、面白い行動していたかな? 俺がそんな事を考えてると、いつの間にか彼女の笑いは収まっていた。 「あの。」 「はい!」 ちょっとびくっとなってしまった。 「一緒に行きませんか? これも何かのご縁でしょうし。」 「はい!!」 俺は嬉しくて仕方がない。 何故だろう。 こんな気持ちになるのは初めてだ。 彼女と一緒に歩き出す。 「そういえば、まだ、お名前聞いてませんでしたよね?」 微笑みながら言う彼女。 その表情を見るだけで、鼓動が早まる。 何だ。この感じ。 「はい。俺、湯浅健二と言います。中野区中学校出身です。」 「私は小人村時羽と言います。真辺中学校出身です。」 俺は驚く。 「えと、あの女子中学校ですか!?」 その学校は、超エリートの女子中学生ばかりが通っているお嬢様学校なのだ。 「驚き…ますよね。」 彼女は悲しそうな表情をする。
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