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………!
彼女の悲しそうな顔を見ると、俺の胸は苦しくなった。
何か変だ今日。
何でこんな感情が…。
「ちょっと驚いたって言うのは本音です。
でも、だからと言って受験してはいけないなんて俺は言いませんよ。
行きたい高校を選ぶのは、自分の自由なんだし…。
何か上手くまとめられてませんね。」
俺は苦笑いする。
どうまとめて良いのか、分からない。
「そう言ってくれたのは、健二君が初めてです。
私の家、父が会社の社長なんです。私は父の言い付けどうり、小学校、中学校とお嬢様学校に行ってました。
でも、これで本当に良いのかな?って疑問が出たんです。
こんな人生じゃダメなんじゃ無いかって…。
だから私、普通高校に受験する事を決めたんです。」
彼女の決意は、俺が考えてるような甘い物では無かった。
「その強い意思があれば合格出来ますよ。
時羽さんなら絶対…。」
甘い物では無いと思っていながら、俺は断言してしまった。
あれ…何やってるんだ?
彼女は立ち止まり嬉しそうに言った。
「健二君に言われると、合格出来る気がします。
ありがとうございますね。」
「え?俺何もやって無いですよ?」
彼女はまたふふっと笑って歩き出した。
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