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友人のある一人が、私に女性を紹介したのだ。どうやら急激にコミュニケーション能力の衰えた私を、見かねてのものらしかった。高校三年の夏、周りは二度の受験戦争に備える頃の出来事だった。
結論から言うと、彼女と私は結婚した。つまり、今の妻だ。まだ先の話だが、彼女との付き合いを分かり易く例えると、ハイキングコースを散歩する様なものだった。
待ち合わせをし、野山で小鳥のさえずりに聞き耳を澄ませ、額に汗の粒を浮かばせながら、歩く。まれに登り坂が有り、下り坂が有る。だが多くの時期を、平坦に過ごした。
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