1・自分という人間について

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 ――この物語は、自分の恋愛について書いたものだ。だからこそ、まず私は、自分について語らねばならないと思う。  物語は、人間が作り出すモノだ。およそその人間を知らねば、その物語は実に希薄で、例えばボール紙のような薄っぺらい物になると、自分は常々思っている。  よく知りもしない知人の相談に、他人が介入しないの同じだ。自分の経験や推測と、一般論のバランスを考え、当たり障りのない意見を述べるだけ。  
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