1・自分という人間について
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子供の頃から、笑うのが苦手だった。その所為か、両親以外に頭を撫でられた記憶がない。保育士にさえ、私は頭を撫でられた記憶がない。 可愛いお子様ですね、とも言われない。不思議と、そんな社交辞令さえ、私の耳に入ってくる事はなかった。 まるで自分は空気の様だった。母親の井戸端会議に身を置き、その話相手となる主婦は、まるで自分を話題にあげようとはしなかった。
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