会話もなかった兄妹の逢瀬

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弓弦は覚悟を決めた。 ギ、ギィィ……… 「誰!?」 女の子の声がする。 他の連中は帰ったらしい。 弓弦はそっと彼女に歩み寄った。 「バカ兄貴でごめんね」 その女の子………姫羅にはその言葉が全く信じられない。 「バカ兄貴って……私に兄が!?」 「みんな知らないみたいだね。……私や音哉を除けば」 ただ、「音哉」とだけは、今の彼女には決して言ってはならなかった。
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