会話もなかった兄妹の逢瀬

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「じゃあ、私が白薔薇の姫だというのも……」 ただし、弓弦は事実に反する希望は断ち切る。 たとえ妹が言ったものでも。 「いや、それは正しい。お前の左手首の白い薔薇の紋が証拠だ。あれは痣じゃない」 「そんな……」 「あと、もしかして、とは思うけどさ、薔薇水晶の話はあった?」 「あったけど……」 弓弦の眼は冷たいまま。 「やはり私と音哉だけが知る事実だが、今は事情が変わった」
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