会話もなかった兄妹の逢瀬

8/10

27人が本棚に入れています
本棚に追加
/259ページ
「えっ………」 「今は、実は紅薔薇だか白薔薇だかの連中だけの力では無理だ」 「じゃあ、何?」 「私……ああ、言い忘れたが、碑文がある。『白の姫と王子、そして黒の帝の気が交わる時、全てが始まるだろう』と。あと、最近知ったことなんだが、それによってできるもの………『時空の残想』。これが全ての鍵。そして異世界への扉」 「時空の残想……」 「『想』はお前と雪彦のことかもしれないな?」 「そう?」 「いや…個人的な希望かな。なに、結婚したら音哉も連れて祝いに行くよ。アイツ、ああ見えてお前や雪彦のために苦労してるから」 自分を虐げた者に祝福される、というのが、姫羅にはどうも納得がいかない。
/259ページ

最初のコメントを投稿しよう!

27人が本棚に入れています
本棚に追加