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「えっ………」
「今は、実は紅薔薇だか白薔薇だかの連中だけの力では無理だ」
「じゃあ、何?」
「私……ああ、言い忘れたが、碑文がある。『白の姫と王子、そして黒の帝の気が交わる時、全てが始まるだろう』と。あと、最近知ったことなんだが、それによってできるもの………『時空の残想』。これが全ての鍵。そして異世界への扉」
「時空の残想……」
「『想』はお前と雪彦のことかもしれないな?」
「そう?」
「いや…個人的な希望かな。なに、結婚したら音哉も連れて祝いに行くよ。アイツ、ああ見えてお前や雪彦のために苦労してるから」
自分を虐げた者に祝福される、というのが、姫羅にはどうも納得がいかない。
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