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そこに弓弦が一言。
「だいたい、音哉も冷徹だよ。冷酷じゃなく。やりたくなくても、目的のためにはそれしかないというのなら、私情なんて挟まない。……いや、挟めない。本当に冷酷なのは、この世だ」
「じゃあ、あれは仕方ないとでも?音哉を弁護する気?兄さんが?」
「できる限り弁護するつもりではある。でも限界もあるだろうな…。本人だって分かってるみたいだけど、あれはやり過ぎだ。せめて平和裡に済ませてもらいたかった…。止められないでごめん………」
弓弦にしては珍しい、涙。
「そう………」
姫羅も何故か彼の暗い気持ちに取り込まれたようだった。
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