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弓弦が一息つく。
その表情はやけに神妙。
「しかし、実はあれでは無理だ」
「は!?」
紅の騎士は二人揃って驚く。
これまでに弓弦本人の話こそあったが、自分たちが信じていた話と真っ向から対立する論だったのである。
たとえ本当かもしれないと思えても、すぐには信じられなかった。
「じゃあ、方法はあるのか…?」
「ある」
弓弦は腹に力を込める。
「『時空の残想』だ。碑文の通りだとするならば、薔薇水晶に黒聖香を作用させて作るのだろう。それが、全ての鍵だろうか?」
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