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(姫羅を落とすつもりはないな)
弓弦はその様子を見て微かに呟いた。
実際、姫羅が気を失うであろうタイミングで、音哉は鞭を持つ手を緩めていた。
そしてしばらく空気を吸わせるだけ吸わせておいて、再び空気を断つのだ。
声にならない声が絶えずドアから漏れる。
「あったな、そんなことも……」
弓弦がそっと言うその先には、誰の仕業か、
「Labyrinth of Lily」
と書かれた本が隅の台の上で日光浴をする姿があった。
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