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そんな状況で、部屋の中の男2人は話し始める。
「どうしてここが……」
「携帯のGPSだ」
すでに大嘘。
誰かの携帯のGPSを参考にしたのは事実にしろ、雪彦がこの建物にいたのは姫羅が連れて来られるよりも前なのだ。
要するに彼は最初からいたのである。
その彼は言う。
「言ったはずだ、音哉。今度姫羅に手を出したら、容赦しないと」
ところが、彼はこっそり笑ってもいた。
ちょっと考えてみれば、手を出させたのは自分なのだ。
勿論、姫羅が今自分を愛しく思っているのを理解する余裕など、全くない。
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