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「あれは……」
弓弦は不意に呟く。
自分と同じような感覚に、今行くべきか、彼の頭に迷いが走る。
今行っては、今はまだ公にしないでいいことが、知られてしまう…。
ただ、弓弦は許せなかった。
力の差はどうあれ、1人に14、5人でかかるのが、彼には卑怯にしか映らない。
尤も、レーダーを見る限りでは、光る点が他の点を圧倒している。
しかし、だからといって、彼の憤りが消えることはない。
「始末するか…」
彼が言うなり、左手に紫色の稲光が走り、それはそのままガントレットとなって覆いかぶさった。
先端の鋭いクローが、ビルから漏れる光で静かに黒く光る。
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