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剣は音哉の手の猛スピードに乗ると……
サクッ!!
そのままドアに突き刺さる。
それは弓弦の耳元に轟音とともに襲い掛かっていた。
「さすがだよ………」
弓弦はしばらくその剣を優しい面持ちで見つめる。
同じ頃、雪彦のほうでも同様に、ごく浅い傷を首筋に残して、彼のそばを剣が通り過ぎた。
剣はやはり根元まで壁に埋まっている。
「できない。私には、雪彦を斬ることなんて」
声だけは泣いているようだった。
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