虚空の黒蝶

殺陣

その間に雪彦は部下を薙ぎ倒し､そのまま姫羅を拘束するロープをほどいていた｡

と､そこに……

｢ちょっと入口で待ってて｣

急に弓弦が頼む｡

｢了解｣

そう言うと雪彦はそのまま剣が深々と刺さったドアをこじ開け､足早に階段を駆け降りた｡

弓弦はそのとき上の階段にいた｡

｢後始末かな｣

そう言って開けっ放しになっていたドアの剣を抜く｡

音哉はその音で起きた｡