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その見事な光景を、小さいながら鋭いレンズがしっかりと収めた。
「ありがとう」
「お互い様だ。……それと」
音哉はおもむろにポケットから封筒を取り出す。
「何だ?」
「姫羅にでも渡してくれ。弁償と言うのも何だが……」
「ありがとう」
彼は事前にバイト代の一部を用意していた。
結局は姫羅を支える道を選んだのである。
「本当にありがとう……。じゃ」
「風邪ひくなよ」
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