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彼は暇を縫って自分のトランシーバーを改良していた。
結果、自分が話したい人物とだけ電波を繋げられるようになっていた。
(無線からの音)
「じゃあ(雪彦)、紅薔薇王国にはもう戻らないの?」
「ああ、俺は紅薔薇王国を捨てる。二度と紅薔薇王国には戻らない。こちら側(の時空)で姫羅とひっそりと暮らす……」
雪彦が言った途端、弓弦は無線機から一旦耳を遠ざける。
「いくらなんでも、それは嘘じゃないかねぇ………」
少し笑いながら言うと、再び無線機を寄せる。
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