27人が本棚に入れています
本棚に追加
/259ページ
「ああ、そうだけど」
朔夜はそう言って左手首を弓弦に見せる。
夕闇が迫り来るせいか、手首に鮮明に印された鮮やかな紋は、淡い白に光る。
自分を示すように。
「それで?これがどうかしたかい、兄さん?」
「知っておくべき事実がある」
「事実?………ああ」
朔夜は何かを思い出した。
「あのガキが言ってたような気がする。俺が白薔薇の王子だって?」
「そうだ。認めたくはなかろうが」
弓弦は心配するが、しかし、朔夜は思い切りは非常によい。
最初のコメントを投稿しよう!