帝と不良王子と白騎士2人

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「まあ荒療治だ。鏡が帰ってくるだろうから、そのときに薔薇水で治すといい」 これ自体は弓弦ならではの技術だった。 そして瑞樹の顔色が少しよくなったのを見て、弓弦はドアに手をかける。 「じゃ、私は行くよ。まだ用事があるから」 「分かった……。気をつけてね」 「うん、ありがとう」 弓弦は、せめて出るときはと、顔を少し綻ばせた。 しかし、彼には心の中の何かしらの突っ掛かりが外れたように思えた。 そんな一種の開放感の中、ホテルを出ると、また別の人影がやってくる。
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