嵐の前の静かでない時間

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その間にタクシーは来ていた。 「しょうがない」 弓弦は強く吐き捨て、タクシーに乗り込んだ。 「新宿のほうまでお願いします」 「畏まりました」 やがてタクシーは走り出した。 ところが、今、杉田にいるだけに、このまま湾岸線に乗ればいいものを、タクシーは横羽線方面へと走り出す。 「嫌ですね渋滞って」 「本当ですよ」 そう言う頃には電話は切ってしまっている。
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