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弓弦が言うままに、タクシーのランプが点り、急減速する。
やがて停止し、件のカップルが乗り込む。
「新宿まで」
雪彦の声で、タクシーは後ろの男を振り切り、闇の中を駆け抜けてゆく。
「いいんですか?目的地は同じみたいですけど……」
「むしろ都合がいいですよ」
(誰………?)
弓弦が運転手に話す後ろで、姫羅は着信履歴を確認する。
「どうした、姫羅」
「雪彦……。なんでだろう、知らない番号からかかってきてる」
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