嵐の前の静かでない時間

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「お前たちの恋は、決して禁じられたものじゃない!!」 「えっ………!兄さん、でも……」 「敵同士だから、だなんて、いつまで言うんだろうね、みんなは!!だから何だよ!私には分かってきた!本当の敵は誰か、ってね!!!」 「本当の敵………」 「そう!だから戻って潰すだけなんだよ!なあ!!紅薔薇の王さんよ!」 (え………そんな………) 弓弦の激しい口調の中に、姫羅は現実への激しい憤りを見ていた。 自分たちの恋が間違ったものじゃない、と言ってくれたのは、確かにすごく嬉しい。 しかし、その中にあるであろう残酷な現実には心を激しく痛める。 それに、彼が語る、雪彦の知られざる経歴には、驚きを隠せなかった。
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