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そう言った瞬間、弓弦の前に薔薇の紋が現れる。
その黒く、鮮やかな薔薇は、紫の雷に取り巻かれ、見る者を圧倒する。
そしてそれを見る者は、ほとんど全て、闇に堕ちていく……。
「何だ!?紅でも白でもない……何だこれは!!」
1人の男の声はもはや断末魔のようにも聞こえる。
その男は得体の知れない何かを感じたのか、すぐに弓弦の眼前から消えた。
だが、他の男たちは愚かにも、
「だから何だ!!」
1人の声とともに一斉に弓弦へと向かう。
一方、弓弦にはもう、逃げた1人以外を生かす気など、完全になかった。
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