嵐の前の静かでない時間

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「嘘……でしょ?」 「いや、弓弦の言う通りだ」 答えたのは王自身だった。 「まあ、知ってる奴なんて殆どいないから、驚くのも無理はないが…」 そう言いかけたとき。 「ここです」 「分かりました」 タクシーは目的地に着いていた。 「ありがとうございました」 弓弦はそう言ってお代を払うと、即座に正面のカフェへ駆け出す。 後ろのカップルは少し遅れて、彼の後を追った。
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