27人が本棚に入れています
本棚に追加
「あんたらさっきから何なんだよ、一体……」
笑いは完全には噛み殺せない。
だが、鏡はつられず冷静に辺りを見渡す。
「朔夜王子に…紅薔薇の王子…か。何故、紅薔薇の王子が朔夜王子と一緒にいる?」
顔は困惑しても、口調はあくまで予期していたよう。
(フム……。念のため、見てみるか)
鏡は周りの声に耳を貸すこともなく、朔夜の左腕を掴み、リストバンドを外す。
「何するんだよっ…!」
朔夜がやっと我に返り、鏡の手を手荒く振りほどく。
最初のコメントを投稿しよう!