騒乱のシャングリラ

7/13
前へ
/259ページ
次へ
「あんたらさっきから何なんだよ、一体……」 笑いは完全には噛み殺せない。 だが、鏡はつられず冷静に辺りを見渡す。 「朔夜王子に…紅薔薇の王子…か。何故、紅薔薇の王子が朔夜王子と一緒にいる?」 顔は困惑しても、口調はあくまで予期していたよう。 (フム……。念のため、見てみるか) 鏡は周りの声に耳を貸すこともなく、朔夜の左腕を掴み、リストバンドを外す。 「何するんだよっ…!」 朔夜がやっと我に返り、鏡の手を手荒く振りほどく。
/259ページ

最初のコメントを投稿しよう!

27人が本棚に入れています
本棚に追加