騒乱のシャングリラ

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「気をつけろ!雪彦が来る!」 その声に気づいた鏡が振り返る。 雪彦は確かに追いかけていた。 「姫羅を放せっ!」 雪彦は鬼気迫る表情で言った。 しかし鏡はあくまで冷徹。 (仕事だからな!今は!) その信念が、彼の感覚を極限まで研ぎ澄ませる。 そして雪彦の拳を難無くかわし… 「お前とて……容赦はしない」 言いながら、雪彦の腹を鋭く蹴り上げた。 その間、姫羅が抜け出し、雪彦のもとへ駆け寄ろうとするが、それさえも許す訳にはいかなかった。
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