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遅れて雪彦が裏口から出てきた。
「そんな……」
姫羅が拉致されたショックを隠しきれないまま、彼は路地裏を歩く。
そして、次の店の前に来たとき…。
(うまくいったか)
(ああ。今、車で護送している)
(そうか。こっちでは今、雪彦が出てきたところだ)
(分かった……。彼に謝っておいてくれ………)
(初めからそのつもりだ)
誰か青年が喋っている。
「弓弦……」
雪彦は吸い寄せられるように、弓弦のもとへふらふらと歩いた。
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