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「じゃあ……」
「右腕でも見ろ」
弓弦が言う通りに、雪彦は自分の右腕を注視する。
ダーツが刺さっていた。
「読んでみろ」
弓弦が再び言う。
雪彦はダーツに巻き付けられていた紙を外して開いた。
「妹を奥多摩まで護送する。鏡のことだ、ちゃんと安全は確保してくれるだろう。………どうしてもと言うなら、行ってあげればいい。大丈夫、彼は黙認してくれる。そうすれば、ほんのわずかだけでも、こんな面倒臭いことからは抜け出せるかもしれないから。たった一つ、白薔薇の聖騎士が増派されたというのは気掛かりだが……」
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