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その先に転がった結晶は、街灯を受けて茶色く光り、三日月の先端のようなその形状は、何かの一部のように見える。
「弓弦………。何だ、これは」
弓弦は先程の事件が起こる数時間程前から、何かを感じていた。
これはその正体だと、その形から確信した。
「残想の………かけら、とでも言っていいのかな」
「残想の………。時空の残想か」
「そうだな。別の作用として、これの光を受けた者には、忘れていた記憶………あるいは、新たな真実の断片が蘇るというそうだ」
弓弦の言葉に、雪彦はこれまでの彼の発言を無意識のうちに照らし合わせる。
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