Fragment

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「枢機卿にとって目障りなんだろうな」 「有り得ない!!枢機卿ともあろう方々が、姫や王子を自らの都合で処刑するなど!!」 「有り得ないなら言わないさ!!当たり前だろう!?……そう。父は、だから、妹と弟をここに避難させたんだ。私には分かる…。残想を通してな」 「残想………?」 「多分、妹や弟の聖香をわずかに取り込んだばっかりに、私の体内で、不完全な形でできたんだろう。完全な形で作り出すなら、もっと多くの聖香がいるはずだから。呼吸とかで入ってくるレベルなんかじゃなく」 弓弦の言葉で、ようやく電話の向こうが落ち着く。 「そうなのか………」 鏡は納得できないながらも、このことを受け入れる。
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