In Nagano's Home

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「そうか」 男はふうっ、とため息をつくと、カップの紅茶を少し飲む。 「それで何があったんだ?街頭でできない話って」 「実は………まあ、2つあるんだが」 弓弦はお菓子に伸ばそうとしていた手を止めて言う。 「1つ目。妹を奥多摩辺りに護送した」 「ほう?」 「まあ、一時だけでも、こんな面倒臭いことから離そうと思って」 「なるほどな」 男はゆっくりと頷く。 自分自身、その「面倒臭いこと」に積極的に関わっているだけに、ここで頭を冷やしたことはプラスに働いたな、と思った。
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