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その光景は、雪彦には見覚えがあった。
「えっ……。これで吹き飛ばされた……はず…………」
そう、碧はこれを1度はまともに「受け」、太い木まで飛ばされたはずなのだ。
そして意識が飛ぶほどの重傷を負ったはずなのである。
しかし――
彼は無傷でここに立っていた。
「まったく……。分かってないな、あの小娘は」
そして微かに灰色がかった瞳に自身を浮かべると、右手の「剣」をしまい、眼前の白い奔流を睨みつける。
代わりに、右手には、やはり白い光が灯ると同時に、赤黒い雷が光を覆うようにわき起こる。
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