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「今の俺は『辻村碧』じゃない…………」
(バチバチッ……!!)
彼の声に合わせて、赤黒い雷が更に激しく唸る。
そして「碧」は、完全に雷を纏ったその右手を渦に向け――。
「神楽坂…………雅晴だ」
(バリバリ…………!!ズキューン!!)
本名を言うと同時に、右手の雷をそのまま波動として撃ち出した。
闇を帯びた赤黒い波動は、そのまま白い奔流の中心へと一直線に向かい――。
(ザーッ!!)
激しく衝突。
「クッ……」
雪彦は眼前の衝撃に、思わず眼を伏せる。
目が眩むような激しい閃光が、一帯を包んでいた。
「…………何が……?」
そして、しばらくして彼が眼を開ける頃には――。
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