黒紅の衝撃

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「そんな…………」 波動に貫かれていたのは、姫のほうだった。 例の白い奔流は、赤黒い波動により拡散し、霧消していたのだ。 そして、何ら勢いを失うことなく、姫の脇腹を抉っていったのである。 「呆気ない。姫ともあろう者が」 雅晴は目の前の光景にむしろ呆れると…… 「消そうか?」 再び「剣」を構え、2人のところへ歩み寄る。 2人のいずれにも、もはや力は残っていない、最悪の状況で。 絶体絶命――。 すると、そんなところに――。
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