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そのためだろう。
落下する彼の周りには、いつものように、紫色の雷や黒雲が尾を引きながら追随していた。
そして……
(ピタッ)
不可解な力場は壁に作用し、弓弦をつなぎ止める。
彼はそのまま壁を垂直に走る。
彼が疾風のように壁を駆ける姿を見た人々はサーカスかと思い、さっきまでとは別の種類の騒ぎが起こった。
しかし、勿論、弓弦は気にするそぶりすら見せない。
彼がある程度駆けた頃、近くにビルが見えた。
そこで彼は再び気を纏う。
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