黒を知る紅

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(ダン!) 弓弦はその男の正面に立つ。 姫羅はその奥で両手両足を拘束され、まだ眠らされている。 「誰だ?」 男が言う。 そのため、弓弦はツカツカ音を立てながら、男のもとに歩く。 だが、お互いの姿を見て、両者とも震えてしまっているのが彼ら自身にも分かった。 「お前は……」 この後、先に口を開いたのは男のほうだった。 「伝説に聞く……黒薔薇の!!」 どうも男は自分のことを知っているようだった。 それは弓弦も同じだった。
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