27人が本棚に入れています
本棚に追加
/259ページ
「(ズズッ……コトン)…さて」
弓弦は騒ぎをよそに飲んでいたコーヒーのカップを置く。
辺りに静寂が広がる中、弓弦は頼み事をする。
決して笑えない雰囲気だった。
「妹の拷問はさすがに見ていられないが、もうちょっとだけ……ここにいてもいいか?」
「妹?」
音哉は逆に尋ねる。
「実はね、あの姫は私の妹だ。助けようかとは思ったが、お前の考えとあれば話は別だ。邪魔はしないでおくよ」
弓弦はさらりと言うが、表情は険しい。
音哉は自分も知らなかった意外な事実に息を呑んでいる。
そこに弓弦は続ける。
最初のコメントを投稿しよう!