惨劇を後ろに

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「雪彦は……?」 姫羅のか細い声が不意に漏れる。 (雪彦?) 弓弦は突然出た知らない男の名に首を傾げる。 「弓弦さん…ですね」 そんなとき、弓弦の背後の出来事をよそに、1人の美少年が彼の隣に座っていた。 「誰だ?」 「響です。以後お見知りおきを」 「響、か。ああ、よろしく」 弓弦はそう言うと残っていたコーヒーを飲み干し、勢いよくテーブルにたたき付ける。 ダン!という音で、後ろの音や呻きが幾分掻き消されると思って。 音哉のこと、どうせ狂ったように、楽しんでいるように、切り刻むばかりだろうから。
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