惨劇を後ろに

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突然の出来事に、何も知らない姫羅と瑞樹は思わずその方を向く。 しかし姫羅は喋れないため、瑞樹が代わりに尋ねる。 「な、何!?」 尤も、驚いているというのがより正確だろうが。 しかし、勿論、その影は答えない。 ただ座っているばかりである。 ただ…… その陰で兄妹の視線が合う。 兄にとっては別に不思議なことはない。 だが妹は見知らぬ姿に不安ばかりを募らせていた。 そのとき。 「遅れました、ごめんなさい」 音哉が急に居直る。
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