Restart Point

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雪彦が言うと、タクシーは颯爽と走り出した。 「雪彦」 「どうした?」 「さっきは本当にごめん。何も考えてないのは、俺のほうだった」 「何、別に気にすることじゃない」 「ありがとう」 「こっちだって……。お前がいなかったら、音哉は許してくれなかったかもしれない」 「音哉ね………」 不意に弓弦の声が暗くなる。 「え?音哉がどうかしたのか?」 雪彦は心配になって尋ねる。 すると弓弦は「そう…」と呟き、そのまま続けた。 「実はね、私の存在は聖騎士全体を見ても、殆ど知られていない。知っているのは……それこそ、私の弟と……音哉だけだった。あとは響ぐらいだし、彼が私を知ったのは、お前を止めに行く前のことだったよ。……不思議だけど、妹だって、私のことは知りやしない」
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