27人が本棚に入れています
本棚に追加
/259ページ
「相当暗い過去だな……」
雪彦は自分のことのように小さく呟く。
実際、この間から突然、別のことながらも暗い現実に襲われはじめたから。
と、そんなとき。
「着きましたよ」
運転手が急に言う。
弓弦が外を見ると、確かにごく普通のアパートがそこにあった。
「ありがとうございました」
お代を払った雪彦はそう言うと、即座にアパートへ走り出す。
「ま、待て……」
弓弦は慌てて後を追った。
最初のコメントを投稿しよう!