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姫羅は3Fの一室に住んでいた。
「もうホテルの予約は取ってある。準備が出来たら呼んでくれ」
弓弦はそう言って玄関のすぐ外に出る。
しかし目は依然として妹に向けられていた。
そこでは、さっきまでバカだとしか思えなかった男が、彼女の未だに生々しい傷に、実に丁寧に手当てをしてをいた。
完全な誤解だった。
それが晴れたからには、彼らの誤解も晴らさなければならない…。
そう思った頃。
「今から車を出す」
手当てが終わったのか、雪彦の声がする。
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