一章

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「でさ、土方さん。…そいつが目撃者?」 見ると、幹部の中で確実に一番年若いだろう人がいた。 周りには、二人。赤い髪の人と、胸元が大きく開いた人。 原田左之助、藤堂平助、永倉新八。 「ちっちゃいし細っこいなぁ……。まだガキじゃん、こいつ それに………女…。しかも、まだガキ……なんで縛ってんの……?」 雪村を見て、最後私を見た。 「……そいつは、アレを一刺しで殺ったんだ」 土方が補足を入れる。 「ええ!?こんな小さいのに!?」 永「平助、負けたな」 原「だな、おまえなら二刺しでも殺せねぇよ」 藤「うるさっ、おじさん二人は黙ってなよ」 永「ふざけんなよ、このお坊っちゃまが!俺らにそんな口きいて良いと思ってんのか?」 原「平助におじさん呼ばわりされるほど、年食ってねぇよ。……新八はともかく、俺はな」 永「てめえ…。裏切るのか、左之」 確か、史実では一、二歳の違いだったと思うけど…。 藤「へへーん。新八っつぁん、図星されて怒るって大人気ねぇよなぁ」 楽しそうだ……。と同時に、咲君は…?と不安がよぎる。
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